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タイ国鉄 列車の種類

Special Express(特急)
タイを代表する列車でいわゆる寝台特急(機関車+客車)。バンコク⇔チェンマイ(北線)やバンコク⇔スンガイコーロック(南線)などの主要な路線を走っている。車両は全車エアコン付きの寝台列車で1等寝台+2等寝台の運行。食堂車も完備されているが現在はビールなどの酒類の販売と持ち込みが禁止されているので注意が必要。運賃は同じ区間の特急でも列車によっても異なるが最も高い部類となっている。寝台も上段(Upper)と下段(Lower)では料金が異なる。上段は狭くて窓がないので少し安くなっている。寝台は夜になると国鉄職員がやってきて座席を手際よくベッドメイキングしてくれる。朝になると逆にベッドを座席に戻してくれる。寝台車両は老朽化が進んでいて新型車両への切り替えが進んでいて予定より1ヶ月遅れの2016年7月14日に第1陣39両がタイ国鉄に引き渡された。現在はチェンマイ、ハジャイ、ノンカイ、ウボンラチャタニー方面の寝台特急で運行されている。新型寝台の登場により日本から送られたブルートレインは定期運行から退いている。
(写真上段:一般的な寝台特急、写真下段:新型の寝台特急)
(写真上2つ:一般的な寝台特急、写真下2つ:新型の寝台特急)
Special Express Diesel Railcar(ディーゼル特急)
別名 Sprinter (スプリンター)と呼ばれているディーゼルカータイプ(気動車型)の特急列車で全車エアコン2等座席車(2両~6両)。基本的に昼間の運行だが北線や南線では深夜も走っている。ディーゼルカータイプなのでスピードが速く所要時間も短い。遅れても最終目的地までには回復することもある。また食堂車がついていないので軽食が無料で配られる。各車両に1人、女性のキャビンアテンダントが配置されていて飲み物や掛布団などを配ってくれたり到着駅の案内もしてくれたりする。運賃は寝台列車より安く設定されている。バンコク⇔スラタニーなど南部方面の深夜バスでは料金は安いものの盗難事件がよく発生しているのでなるべく安く、しかも安心して利用したいならこのスプリンターがおススメである。
Express(急行)
バンコクと地方都市を結んでいるのが急行である。ただし列車の種類を分類するのは難しい。ディーゼルカータイプ(気動車型)の急行だったり、エアコン2等寝台+エアコンなし2等寝台+エアコンなし3等客車のタイプだったりさまざまな運用がある。バンコク⇔トランの急行83,84はエアコン2等寝台+エアコンなし2等座席+エアコンなし3等座席、またバンコク⇔ノンカイの急行75,76,77,78はディーゼルカータイプの急行でエアコン2等座席車(1両)+エアコンなし3等車(4両~6両)で運行されている。急行について細かく知りたいときはリンクの「タイ国鉄列車編成表」で確認してほしい。
Rapid(快速)
特急や急行が止まらない駅にも停車し、なおかつ速達性もあって長距離区間を走っているのが快速である。機関車+エアコンなし客車のタイプが主流でエアコン2等寝台が1両連結されている列車もある。ほとんどの車両がエアコンなし3等座席である。そして快速はよく遅れる。特急列車を優先させるためにそのあおりを食らってしまう。快速なので途中駅を通過することもあるが特急列車の通過待ちや行き違いで長時間停車することもある。したがって旅行者が長距離の区間を乗車することはあまりおススメしない。
Ordinary(普通)
機関車+エアコンなし客車タイプかまたはディーゼルカータイプ。列車はエアコンなし3等車のみの場合がほとんど。扱いはコミューターだったりローカル列車だったりするが基本的には各駅停車の普通列車。乗客は思ったより多く、座れないかもしれない。東線やメークロン線の列車はすべて普通列車で4~6両編成が主流。メークロン線にはエアコン車ありの普通列車もときどき走っている。普通列車の運賃はかなり安くバンコク⇔ドンムアンなら5バーツほど。バンコク⇔アユタヤならのんびりとしたタイのローカル列車が楽しめて15バーツしかかからない。
蒸気機関車
タイ国鉄では、3月26日(タイ国鉄開通記念日)、8月12日(王妃誕生日)、10月23日(チュラロンコン大王記念日)、12月5日(国王誕生日)の年に4回、蒸気機関車を運行している。バンコク⇔アユタヤの運行が中心でまれにバンコク⇔チャチュンサオ、バンコク⇔ナコンパトムなども運行している。時刻表はいちおうあるがノロノロ運転なので1時間程度の遅れがあり他の一般列車がそれに巻き込まれることもある。運転はパシフィック型のSRT824とSRT850を内向きに連結させてターンテーブルを必要としない重連運転が行われている。また燃料は石炭ではなく重油を使用している。通常は旧トンブリ駅の車庫で動態保存されていて、時折ナコンパトムまで試運転を行っている。
国際列車
タイ⇔ラオスで国際列車が運行されている。ラオスへの国際列車はわずか5kmだが鉄道が乗り入れている。ノンカイ⇔タナレン(ラオス)は友好橋の真ん中に線路が引いてあり、1日4回(2往復)のために道路を10分間ほど封鎖して2両編成のディーゼルカーを運行している。ただしタナレン駅周辺には何もないのでラオスに入国していきなりぼったくりタクシーへ乗車する羽目になるので注意が必要。以前運行されていたタイ⇔マレーシアは消滅してしまった。マレー半島の鉄道の旅としてお馴染みだった国際列車35/36はハジャイ発着に変更。バンコク発着の寝台特急45/46が国境のパダンブザールまで行っている。パダンブザール駅でマレー鉄道に乗換は必要である。もう1つのハジャイ発着の国際列車(ハジャイ⇔クアラルンプール)は2016年5月に運行が終了となった。またカンボジアとの国境のアランヤプラテート(タイ)からポイペト(カンボジア)までの鉄道が再び整備されてカジノホテルの真ん中を突っ切る形で線路がつながった。しかし国際列車や貨物列車の運行が計画されているもののまだ実現には至っていない。
(写真左:以前運行されていたハジャイ発着の国際列車、写真右:ラオスとの国際列車)
(写真上:以前運行されていたハジャイ発着の国際列車、写真下:ラオスとの国際列車)